BLANKFIELD

Untaled 2nd demo ライナーノーツ

冬コミお疲れ様でした。Untaled 2nd demoは無事作った分すべてが会場で完売しました。本当にありがとうございました。
改めてUNDERTALEファンのパワーを感じた一日になりました。

先日Bandcampでもリリースしましたので、会場来られなかった方もぜひどうぞ!

ところで、普段ライナーノーツとか書かないんですが、どんどん忘れて空っぽになってしまうので、いろいろ思ってることは覚えてるうちにちゃんと書いたほうが良いと思って書くことにしました。

Dating Start!

聴いた瞬間あっこれ逆転裁判やとか思ったのでGBA風アレンジにしようかという案もあったんですが、あえなくSenpaiが勝ってしまいました。Sithu Aye先輩はまだ僕に気づいてくれてないみたいです。
ギターをギャンギャンに歪ませないアレンジなんて今まであっただろうか。1年前くらいにトライしたんですがうまく出来ずに放置していたところ、今回のEPで再挑戦。先日導入したMUSICMAN JP6のセンターポジションでやったところなんとかなったという感じでした。フロントピックアップを使いだしたのが今回のEPでの僕の成長かもしれないです。
途中のセクションではFMシンセにスピーカーのIRを通してゲームセンターの隅から聴こえてくる音楽みたいな感じにしてみました。なんかこうエモいよね。
リードギターはオクターブで2本弾いて厚みを出してなんとかなった感じです。JP6は音が非常に明瞭で綺麗に出るので、なるべく丁寧に頑張りました。普段は全てBLANKFIELDピックで弾いているんですが、リードギターは音が太くなるよう全編Jazz III Ultexで、Dating Start!のバッキングはキレを良くするため薄い普通のプラスチックのピックを使いました。
ギターは基本優しい音色にしつつもドラマーは元メタルバンドみたいなイメージで、ギターもブリッジミュートがめちゃ早いというSave Us From The Archon的な構成になっています。

Chaos King

冒頭の8bit系イントロは、悩んだ末に原曲再現になりました。ピコピコから爆裂したいなぁというのは人類全員の理想です。原曲ではおそらくファミコンをシミュレートした音源だと思うのですが、せっかくなのでゲームボーイ想定に変更。ゲームボーイには三角波が基本ありませんが、波形メモリで再現。PrologueのChipsoundsはこの辺細かいのが楽しいです。昔ポケットカメラの作曲機能で波形メモリが使えたんですが、まんまその音が出てとても良いです。
イントロ後のヘヴィなセクションはアレンジの取っ掛かりですぐに作ったストレートな迫力のあるメタルになりました。Chapter 1ラスボスに相応しい圧力のある導入になったんじゃないでしょうか。
その後はいつものBLANKFIELDと思いきや、Aメロ?をさらにコードを変えてもう一押し、エモいセクションにしました。1音目でLow A#単音をデーンと弾くことでプログ系の重量感ある印象を出しつつも、実はその後はコード進行の都合上ほぼコード弾きという内容です。一番聴かせたかったのはこのエモいコード進行で、元々は並行に半音下がりの進行なんですが、メロディをしれっと移調していてコード進行に合わせています。
この部分だけ単音のパワーとコード弾きを両立させたかったので、真ん中にもバッキングが居てベースと合わせると4オクターブ同じ音を弾くというゴージャス感。カッティングいれつつのコードチェンジはどことなくThe Afterimageの影響かなと思いつつ、盛り上がったセクションが作れて満足です。
途中のローファイなストリングスはこれ非常に特徴的で、SFCのゼルダの伝説の音色になっています。なぜかDELTARUNEを最初にやったときからゼルダ味をどことなく感じてしまい、思わず入れました。思いつきで入れてみたら少し悲しげなコードにカチッとハマってとてもナイス。
ブレイクダウン的なパートでは激速の刻みが入っており、当然のごとくニンゲンには弾けないありさまだったのでゆっくり弾いて早送りにしてしまいました。Graupelみたいな高速ブレイクダウン、カッコいいよね。
そんなこんなでやりたいこと詰め込んだアレンジという感じになりました。

THE WORLD REVOLVING

今回の目玉、裏ボスともいえるジェビルとの戦闘テーマ曲。原曲は楽しいようでどこか哀しげでもありつつ、狂気的な面もある曲で、回る回るよサーカスは回るというようなイメージが浮かびます。全体的にはBLANKFIELDらしい疾走アレンジにしつつも、要所要所でいろいろチャレンジをしています。
まずイントロの変な音色はギターにコーラスを深く掛けて作っています。エフェクトを手当たり次第掛けて作る系のやつです。
途中の静かなセクションは音選びに悩みましたが、最終的にアコーディオン的な音にして遠くでサーカスがやっているみたいな感じにしました。自分が参加できないお祭りって外から見ていて楽しげでありつつもどこか寂しい感じがしますよね。


このアレンジで一番の見どころはイントロ後のサビ (Aメロ?) のコード進行で、お決まりの4563からあれこれしたコードに展開させてエモを出しました。バッキングだけのトラックを以前ツイートしたんですが、めちゃめちゃ気に入っています。今回のEPでは全体的にコード進行をいつもより工夫したことでエモさを出すことに成功したのではないでしょうか。
カオティックなパートではバッキングをハチャメチャにアーミングしたりクロマチックなリードを入れたりしてFrontiererになりたかった。
この曲のリードギターは僕とyutaとのかけあいにしていて、サビなどを弾いているメインギターがyutaで、イントロのあととかの部分が僕です。芯が通ったなめらかなギターを弾いてくれてすごく良いものになりました。負けじと僕も頑張ってリードを弾いています。特に最後の展開ではハモリとメロディを交互に弾く仕掛けにしています。楽譜としてはハモリ部分とメロディ部分を各々が通して弾きつつも、オートメーションで音量とEQを変えることで前に出すギターを交互に切り替えています。
中盤のギターと不穏な音になるセクションではyutaのリクエストで深いリバーブを掛けてキモくしており、さらにディレイを追加しオートメーションでディレイタイムをいじると出る変な音を入れることで狂気性を増しています。
全体的な狂気感としてはI, Valianceを目指した感じでしたが、具体的に取り入れたところとかはなくて雰囲気だけ参照した形です。EPのラスト曲にふさわしい、突っ走りながらも哀愁を後に残していくような曲になったんじゃないでしょうか。

それではこのへんで。
今年はできたらthe countless notesの新譜を出したり、BLANKFIELDも音楽的に、また取り組み方も新しい事をやっていきたいと思います。
今年もよろしくお願いします!